2019年11月20日 (水) 16:19
みなさん、入れ歯に寿命があることをご存知でしょうか。「入れ歯は一生もの」と、イメージを持たれる患者さまも少なくありませんが、入れ歯には寿命があります。そこで今回は、なぜ入れ歯には寿命があるのか、どのくらいの期間の間、入れ歯を使用することができるのか、詳しくご紹介して参りましょう。
入れ歯は歯周病や虫歯によって歯を失った場合に作製される補綴物です。ほとんどの入れ歯は歯科用レジンと呼ばれるプラスチックで形成されています。お口の中はとても過酷な環境であり、歯肉が衰退したり、新たに歯を失ったり、様々な理由で入れ歯は寿命を迎えると考えられ、その寿命は3~5年と言われています。
次に、なぜ入れ歯に寿命があるのか、1つ1つご説明しましょう。
【入れ歯に寿命がある理由】
▼歯を支える歯槽骨が痩せてしまう
歯槽骨は、加齢によって痩せていく傾向にありますが、更に歯周病に罹患している場合には、症状が進行していくにつれ、歯槽骨も痩せて行ってしまうために、入れ歯が合わなくなり、新たな入れ歯を作製する必要性がでてきます。
▼入れ歯の噛み合わせ部分がすり減ってしまう
入れ歯は歯科用レジン(プラスチック)で形成され、咬み合わせ部分も歯ぎしりや経年劣化によりすり減ってしまい、咬み合わせが合わなくなり、新たに入れ歯の作製が必要となります。
▼破損してしまう
入れ歯は稀に割れてしまうことがあります。歯科用レジン(プラスチック)で形成されているため、特に保険診療で作製した入れ歯の場合には、破損してしまう恐れがあります。修理が可能な場合もありますが、場合によっては新たな入れ歯を作製する必要性が出てきます。また、割れた部分を接着剤で装着して応急処置を行う患者さまも少なくありませんが、なるべく避けることをおすすめいたします。
▼新たに歯を失う
意外にも新たに入れ歯を作製する理由として1番多い理由は、新たに歯を失うことです。歯周病や虫歯などで新に歯を失った場合には、現在使用している入れ歯を引き続き使用することは困難であり、新たな入れ歯の作製が求められます。
これらの理由から、入れ歯の寿命は3~5年と言われていますが、入れ歯を長持ちさせるためには、どうすれば良いのでしょうか。
【入れ歯を長持ちさせるには?】
▼お手入れは丁寧に
入れ歯の手入れは意外にも大変であり、疎かにしてしまう人も少なくありません。しかし、入れ歯を清潔に保つことは入れ歯に寿命を延ばすためには必要不可欠です。
▼適切な保管を
入れ歯を外して睡眠をとる場合には、必ず水の中で保管しましょう。入れ歯は乾燥に弱く、破損や変形の原因となります。ただし、精密に作られた入れ歯の場合、睡眠時入れ歯を外す必要はありません。
▼歯周病や虫歯予防
歯周病や虫歯で歯を失った場合には、新たに入れ歯の作製が必要となるために定期健診を行い、これ以上歯を失うことのないようにケアしましょう。
以上、入れ歯の寿命などについて、ご紹介して参りました。寿命はだいたいの目安であり、個人によってその期間は様々となります。失った歯の機能を補う入れ歯の作製をお考えの場合には、なんなりとご相談ください。
カテゴリー: 入れ歯の寿命