2019年1月10日 (木) 16:46
歯科治療は、銀歯やインプラント、入れ歯など様々な治療の中で金属を使用しているために、金属アレルギー症状がでる患者さまにとって、歯科治療は1つの課題となっているのではないでしょうか。中でも入れ歯は一見金属を使用していないようにも見えますが、入れ歯治療にとっても金属は欠かせないものであります。そこで今回は、金属アレルギーであっても、入れ歯を使用することが可能であるか、詳しくご紹介して参りましょう。
▼金属アレルギーの症状は?
まず、金属アレルギーの主な症状を把握しておきましょう。金属アレルギーの場合、症状のタイプは2つに分類され、それぞれ症状が出るまでの過程が異なります。
【接触皮膚炎(金属アレルギー)】
金属が身体の一部に接触し、その部分に症状がみられる場合を、接触皮膚炎と呼びます。金属のアクセサリーを身に付けている時に汗に反応することで、その部位に炎症やかゆみ、時に水ぶくれなどを発症するケースが多く報告されており、汗ばむ夏場は特に発症率が上がる傾向にあります。
【全身型金属アレルギー】
お口の中に存在する銀歯や入れ歯、内服薬や食品(チョコレートやコーヒー)に含まれる金属に反応を起こし、全身に症状が現れる場合は、全身型金属アレルギーに分類されます。口や腸から吸収された金属イオンは、汗に反応し皮膚から分泌することで、発熱、嫌悪感などの症状や、湿疹、かゆみなど皮膚へ影響を与えていきます。
▼金属アレルギーを発症しやすい金属は?
金属アレルギーを発症しやすい金属は以下の通りです。
【金属アレルギーを誘発しやすい金属】
ニッケル、コバルト、水銀、クロム、スズ、銅
どの金属に反応するか、パッチテストを行うことで、使用できる金属を見極めるのも重要です。
▼金属アレルギー患者が避けるべき入れ歯は?
保険診療で作製する部分入れ歯の場合、必ずクラスプと呼ばれる金属の引っ掛けが必要となりますが、主にニッケルクロム、金銀パラジウム合金、コバルトクロムなどの金属が使用されているため、それら金属に反応する場合には部分入れ歯治療(保険診療)は困難となります。
また、総入れ歯の場合にも金属床(自費診療)で形成された入れ歯は使用を控えるべきでしょう。
▼金属アレルギー患者でも安心して使える入れ歯は?
金属を使用していない入れ歯を作製することを推奨します。総入れ歯の場合には、レジンだけを使用した入れ歯を作製することが可能となりますが、部分入れ歯の場合には必ずクラスプ(金属)が必要となるため、自費診療で作製することができる、金属アレルギーがほとんどでないチタンを使った入れ歯の作成を推奨します。
以上、今回は金属アレルギーの場合の入れ歯事情について詳しくご紹介して参りました。金属アレルギーで入れ歯の作製に躊躇されている人、これから入れ歯の作製をお考えの場合にも、お気軽にご相談ください。
カテゴリー: 金属アレルギー
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